【今一度過去を振り返る】『噛み合わない会話と、ある過去について』|辻村深月

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『嚙みあわない会話と、ある過去について』が気になっている方

「著者の辻村深月さんはどんな人なの?そしてどうな小説かが気になる!でも『嚙みあわない会話と、ある過去について』のあらすじ・感想も知りたいし、どんな人におすすめなのかも知りたい… 」

 

こんなお悩みを解決します。

 

目次

  1. 著者・辻村深月さんとは?そして『嚙みあわない会話と、ある過去について』はどんな小説なのか?
  2. 『嚙みあわない会話と、ある過去について』あらすじ・感想
  3. 本作品は、誰におすすめしたいか?

 

1 著者・辻村深月さんとは?そして『嚙みあわない会話と、ある過去について』はどんな小説なのか?

 その① 著者・辻村深月さんとは?

著:辻村 深月(ツジムラ ミヅキ)
1980年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞。2018年には、『かがみの孤城』が第15回本屋大賞で第1位に選ばれた。その他の著作に、『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『ハケンアニメ!』『朝が来る』『傲慢と善良』『琥珀の夏』などがある。
引用:講談社
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000355969

 その②『嚙みあわない会話と、ある過去について』はどんな小説なのか?

あなたの「過去」は、大丈夫?

美しい「思い出」として記憶された日々――。
その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。
無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!

大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。
「ナベちゃんのヨメ」

国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」

人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!
引用:講談社

 

2 『嚙みあわない会話と、ある過去について』あらすじ・感想

 あらすじ
『嚙みあわない会話と、ある過去について』は全4章で構成されています。

第1章 ナベちゃんのヨメ

第2章 パッとしない子

第3章 ママ、はは

第4章 早穂とゆかり

 感想
※ここから一部ネタバレがあるので、ご注意ください!
以下はレビューとして良し悪し一つずつ紹介させていただきます。

辻村さんファンでずっと読んで来ましたが
この作品が始めて、決定的に共感できなかった作品です

特に二部と四部
弱者だった側が、強者に回り
過去の不平と、今の強い立ち位置を武器に、強者(現時点では弱者)に殴りかかる内容でしたが、過去や人となりの掘り下げが少ないせいか、どちらの行為も幼稚に見えました

どちらも加害者になってしまい、一切共感できない

殴られて殴り返しただけの話です

その一切共感できなさも、そこをフォローする文章があれば、作品として成立したかなと思います

暗くて、学生っぽくて
分析屋っぽい内容は好きなので
多めに二つ星をつけますが
他の人の評価が穏便でビックリしています
このくらいの攻撃性って
今や普通なんでしょうか

引用:Amazon

幽霊もゾンビもお化けも出ないホラーです。自分が経験していないはずなのに震えました、責められてる気がして。
いや、でも誰かにそうしてしまったことがあった気がしてしまう丁度の話が詰まってます、
もう一度言います、ホラーです。

引用:Amazon

 

ハシビロックの感想としては、一貫して言えるのは、やった方は覚えていないし、やられた方は覚えているということです。一章ごとに感想を述べるのは、長文になるため一言で表すとしたら”依存 うろ覚え 勘違い 過保護の恐ろしさ”だと思います。
人は誰でも言えない過去や悩みがありながら、生活している。だけどその反面だれかを無意識で傷つけている。
少なからずこの作品を読むことで、該当する人は背筋が凍り、しない人でも今までの行いを振り返ることの出来る作品だと思います。
人には人の乳酸菌ではないですが、人それぞれに感情・個性があるため雁字搦めにならず、作品として扱い、人間らしさを出すことが大切ではないか思いました。

3 本作品は、誰におすすめなのか?

 本作品は、全4章すべてで『過去』について扱っているため、過去に何かしらの心残りがあったり、学生や社会にでて後悔したことや、人に傷つけられた経験がある方に少し共感があると思いますし、周りの環境になく「こういう気持ちになるのだなぁ~」と知識や場面を知るという意味ですべての人にお勧めではないかと私は思います。

 

ここまでご拝読ありがとうございます。

一度自分の過去を振り返りたくなる作品になっております。

以上ハシビロックでした。

 

【心がほっこり】『木曜日にはココアを』| 著・青山美智子のあらすじ・感想

木曜日にはココアをのサムネイル

著青山美智子さんの『木曜日にはココアを』が気になっている方

「著者・青山美智子さんはどんな人なの?そして『木曜日にはココアを』がどんな小説か知りたいけど、あらすじ・感想が気になるなぁ~!

本作品のような、心がほっこりする作品も教えてほしい」

 

こんなお悩み解決します。

 

 目次

  1. 著者・青山美智子さんとは?そして『木曜日にはココアを』どんな小説か
  2. 『お探し物は図書室まで』のあらすじ・感想は?
  3. 本作品のような「ホッと!心温まる」ほかのおすすめは、何があるか?

1 著者・青山美智子さんとは?そして『木曜日にはココアを』はどんな小説か?

 その① 著者・青山美智子さんは?

青山 美智子(あおやま みちこ) プロフィール
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。続編『月曜日の抹茶カフェ』が第1回けんご大賞、『猫のお告げは樹の下で』が第13回天竜文学賞を受賞(いずれも宝島社)。『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)が2021年本屋大賞2位。『赤と青とエスキース』(PHP研究所)が2022年本屋大賞2位。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』(宝島社)など。
引用:宝島社
https://tkj.jp/book/?cd=02757101

 その② 『木曜日にはココアを』はどんな小説か?

僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙をこぼしたのだった。主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリアウーマン。厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。誰にも認められなくても、自分の好きな絵を描き続ける女の子。銀行を辞めて、サンドイッチ屋をシドニーに開業した男性。人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12色の物語。
引用:Amazon

2 『木曜日にはココアを』のあらすじ・感想は?

 あらすじ

『木曜日にはココアを』は、全12章の短編小説となっています。

短編小説の目次として

  1.  木曜日にはココアを brown / tokyo
  2.  きまじめな卵焼き yellow / tokyo
  3.  ゆびゆくわられ pink / tokyo
  4.  聖者の直進 blue / tokyo
  5.  めぐりあい red / sydney
  6.  半世紀ロマンス grey / sydney
  7.  カウントダウン green / sydney
  8.  ラルフさんの一番良き日 orange / sydney
  9.  帰ってきた魔女 turquoise / sydney
  10.  あなたに出会わなければ black / sydney
  11.  トリコロールの約束 purple / sydney
  12.  恋文 white / tokyo

 感想

ここでレビューを良し悪し一つずつ紹介します。

意味不明の改行と意味不明の謎の連続。中身スカスカ…。1話目、バイトのはずが、なぜ正社員登用されたのか、なぜシーン切り替えでもないのに改行を繰り返すのか。テキトーに作った小説にしか思えない。。

引用:Amazon

 

有給をとって旅行にきたにも関わらずひっきりなしに仕事の連絡が届き、「ああ、働くことはしんどいなあ。またちゃんと休めなかった。」と悶々としていた旅行帰りにこちらの本と出会いました。どなたかのツイッターのレビューで「読み終わりがどれも優しい」というのを見かけ、少しでもこの荒んだ心を包んでくれたらいいなあと思い、気まぐれに購入したのですが、とても良かったです。あったかい光がじわっと、優しく何か溶かしてくれるような文章でした。日々に追われて疲れてしまった方におすすめしたい作品です。

引用:Amazon

 

ハシビロックの感想としては、自分だけのストーリーだと思っていても、他人のストーリーと見ず知らずの内に、密接に関係や繋がりがあるのだとこの『木曜日にはココアを』を読んで思いました。特に第3章第7章は、お気に入りです。

第3章は、私の姉も保育士ということもあり共感できる場面があったのですが、職業柄や若いころから女性が行うお化粧など、経験から考え行動できる点に共感できました。

第7章は、その場に居座り続けた結果でコンプレックスが気になりすげて、環境が違えばコンプレックスは個性として、自身の強みと出せるのではと思える一章でした。

 

3 本作品のような「ホッと!心温まる」ほかのおすすめは、何があるか?

『木曜日にはココアを』は全12章を通して、「心がホッと!温まるなぁ~」という作品になっています。

「同じような小説や作品を知りたい!!!」という方に向けて4作品を紹介します。

1作品目は、同著者・青山美智子さんの『猫のお告げは樹の下で』です。

2作品目は、著者・小川糸さんの『ツバキ文具店』です。

 こちらは小説を元に2017年にNHK総合「ドラマ10」にて『ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜』と題してテレビドラマ化もされました。

3作品目は、著者・島本理生さんの『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』です

4作品目は、著者・望月麻衣さんの『満月珈琲店の星詠み』です。

 


 

 

ここまでご拝読頂き、ありがとうございます。

是非日常で、「心がホッと!温まる」をあまり感じることのない人は、

『木曜日にはココアを』を手にとってみて下さい。

ハシビロックでした。

【この人におすすめ!】『お探し物は図書室まで』のあらすじ・感想

図書館の書士のイラスト

 

青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』が気になる方

「著者・青山美智子さんとはどんな方なのか?そして『お探し物は図書室まで』はどんな小説か知りたい!読んで見たいけど、どういう人に向けて 、何を伝えたいのか気になるなぁ…」

 

 

こんなお悩みを解決します。

 

 目次

  1. 著者・青山美智子さんとは? そして『お探し物は図書室まで』はどんな小説か?
  2. 『お探し物は図書室まで』のあらすじ・感想
  3. 『お探し物は図書室まで』ではどういう人におすすめで、何を伝えたいか?

 

1 著者・青山美智子さんとは?
そして『お探し物は図書室まで』はどんな小説か?

 その① 著者・青山美智子さんとは?

青山 美智子(あおやま みちこ) プロフィール
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。続編『月曜日の抹茶カフェ』が第1回けんご大賞、『猫のお告げは樹の下で』が第13回天竜文学賞を受賞(いずれも宝島社)。『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)が2021年本屋大賞2位。『赤と青とエスキース』(PHP研究所)が2022年本屋大賞2位。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』(宝島社)など。 引用:宝島社

 

 その② 『お探し物は図書室まで』はどんな小説か?

お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。

狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。
話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集......。

そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」と――。

自分が本当に「探している物」に気がつき、
明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
引用:Amazon

2 『お探し物は図書室まで』のあらすじ・感想

 あらすじ


第1章 婦人服売り場で働く、21歳の藤本朋香(ふじもとともか)
第2章 家具メーカーに勤める、35歳の浦瀬涼(うらせりょう)
第3章 雑誌編集であった桐谷夏美(きりたになつみ)
第4章 ニートである菅田浩弥(すだひろや)
第5章 定年退職をして居場所をなくした権野正雄(ごんのまさお)

 

 「何をお探し?」

このフレーズで始まる、図書室司書の小町ゆかり
本を探しに来た、経歴・性別・年齢もバラバラである5人と会話をした後に、目当ての本とは関係なさそうな一冊を紹介する。

さらに付録として、これまた妙な羊毛フェルトを渡すのだった。

5章それぞれに物語が描かれている作品です。

 

 感想

※ここからは、一部ネタバレがある為ご注意おねがいします。

レビューから悪い感想、良い感想を一つずつ紹介します。

レファレンスサービスについてすごく誤解を広めそうな一冊だと思いました。利用者のプライベートに立ち入り(それも頼まれてもいないのに)人生の困りごとに介入するなんて、レファレンスサービスにおいて最もやってはいけないことの1つです。
そんなことをするのなら、その窓口は「レファレンスサービス」と名乗るべきではないと思います。作者さんはレファレンスサービスについてどう勉強されたんだろうか?と唖然としました。

引用:Amazon

心のもやもやが晴れて、心が動き出す、そして、もう一度読み返したくなりました。登場人物がつながっていたから。
読んで良かったのは、人と接することを、シンプルに考えていいんだと思えたこと。複雑に考えすぎてたなーと、心が軽くなりました。

引用:Amazon

 ハシビロックの感想としては、自分自身が望んでいるものが、上手くいかないこともありますし、逆もしかりで望んでいないものから、ふとした所から気づくこともあると理解させる作品になっていると思いました。批判的な事になりますが、現実にはこんな良い司書はいないと思い、「無知の知」ではないですが何事にも関心を持ち、いろんなきっかけを作ることが大切であるとも読み取れました。

 

3 どういう人におすすめか?何を伝えているか

 その① どういう人におすすめか?

作品全体では何かに躓き、何かに悩む人に向けて

第1章 →職場での人間関係に悩む方へ
第2章 →将来にキャリアに悩む方へ
第3章 →出産後の職場復帰やお子さんをもつ女性の方へ
第4章 →好きなものが無く、居場所に困る方へ
第5章 →人生の残りを考え、悩む方へ

 

 その② 何を伝えてたいのか

 その①でも書いたように、なにかに悩み、躓き、助けを求める人は、以外にも自分の足元や、身の回りの環境で思わぬところにあるのだと伝えていると思います。

ですが司書さんの提案や意外な本の紹介はあったとは言えども、一貫して5章とも全て自分から行動したとこから、一歩踏み出すことの大事さも伝えていると思っています。

 


 

 

ここまでご拝読頂き,ありがとうございました。

話の一章ごとに何かを考え、何かのきっかけになる作品になっています。

ぜひ手に取り読んで見てください。

ハシビロックでした。

 

【現代に問う】伊坂幸太郎『フーガはユーガ』のあらすじ・感想

双子のイラスト(男性)

 

伊坂幸太郎の「フーガはユーガ」が気になっている方「著者・伊坂幸太郎とはどんな方で、「フーガはユーガ」はどんな小説なのか知りたい!あらすじ・感想が知りたい!総称してなんの事を言っているのか知りたい!」

 

こんなお悩みを解決します!

 目次

  1. 著者・伊坂幸太郎とは? そして「フーガはユーガ」はどんな小説なのか?

  2. 「フーガはユーガ」のあらすじ・感想

  3. 総称してなんの事を言っているか

 

1 著者・伊坂幸太郎とは? そして「フーガはユーガ」はどんな小説?

 その① 著者・伊坂幸太郎さんとは?

伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)
1971年、千葉県生まれ。2000年『オーデュボンの祈り』で第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞および第21回山本周五郎賞を受賞する。他、近著書に『砂漠』『アイネクライネナハトムジーク』『陽気なギャングは三つ数えろ』『サブマリン』『AX アックス』『ホワイトラビット』『クリスマスを探偵と』など多数。 引用:実業之日本社

 その② 「フーガはユーガ」はどんな小説なのか?

伊坂幸太郎史上
もっとも切なく、でも、あたたかい。

僕たちは双子で、僕たちは不運で、
だけど僕たちは、手強い
双子の兄弟が織りなす、「闘いと再生」の物語

常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、
そして、彼ら兄弟だけの、
誕生日にだけ起きる不思議な現象、「アレ」のこと――。
ふたりは大切な人々と出会い、
特別な能力を武器に、
邪悪な存在に立ち向かおうとするが……。
文庫版あとがき収録。
本屋大賞ノミネート作品!解説/瀧井朝世 

引用:Amazon

一卵性双生児の双子を題材に、随所に張り巡らされた伏線を回収していく物語構成で伊坂幸太郎節がガンガンに盛り込まれた一作品になっています。双子を扱う小説や作品は、意思疎通・二者間の容姿を用いた作品が多い中、特殊能力という独特な切り口での作品になっており、新しい見解からまた一層面白く読み進められます。
ただ、児童虐待やDVなど重たい題材も扱っているため、苦手な方やつらい経験をされた方はは注意が必要です。

 

2 「フーガはユーガ」のあらすじ・感想

 その① あらすじ

※ここからは、一部ネタバレになる可能性がある為、注意をお願いします。

           ①常盤兄弟の壮絶な過去 そして 常盤兄弟の能力について
           ②ある2人の女性を廻り、起こる事件
           ③始まりにして、終わる衝撃のラスト

「フーガはユーガ」のざっくりとした
あらすじを書くとしたらこの3つですね.。

その② 感想

レビューを一つずつ紹介させていただきます。

双子をめぐる設定は、まさに伊坂ワールドで
各場面・事件のスピーディーな展開はすごく面白いです。
どんどん読み進めます!
終盤はハラハラ・ドキドキだし。
ただ、DVを中心とした背景はリアルで苦しいし、
弱者をいたぶる各事件の設定は辛すぎたり過酷だったりです。
だからこそ、双子の「たたかい」に、読者は「共感」できるのですが。
現実社会が
子どもにとって理不尽すぎたり重すぎたりしますから、
それを何とか打開したい僕らの気持ちを
作品の中で少しでも解き放とうと伊坂さんは頑張ってくれました。
苦い味わいもまた……。。
おススメです。引用:Amazon

2019年3月14日に日本でレビュー済み
伊坂さんの作品に出てくる典型的悪人。
つまり極悪非道で美しい顔をしたサイコパス
このパターンには少し飽きてきた。
そしてその酷い犯罪描写を読むのが辛い。
大好きだけど、もう少し違うパターンを産みだしてほしい。
古い作品の中に住む心優しい犯罪者たちには癒されてきたのだが、現実世界で報道されるいじめや虐待に辟易しているので、しゃべる案山子が懐かしい。 

引用:Amazon

 

ハシビロックの感想は、双子の題材で特殊能力を扱った変わった切り口で、すべての伏線を回収していく点は、やはり伊坂幸太郎さんの特徴で、最後の20ページは疾走感がありとても面白かったです。
一方で、虐待やDVなど現代社会の問題から、他人と比較することで、置かれている境遇が安心でないことさえも、わからなくなったり「やられても、ただで済ませられる相手にやられた(本文から引用)」この一文だけでも恐ろしさが伝わり、深く考えることの出来る作品であった。

3 総称してなんの事を言っているのか?

 「フーガはユーガ」の作品自体の素晴らしさを伝えたいと思いますが、2の感想でも述べたように現代問題として広まってきた児童虐待やDVなどの深刻さを言っていると思います。言葉だけが浅く広まったことで、本当の核の部分が隠れ、知る意欲が無いと知ることは出来ないと思います。要するに新たな言葉や現代で問題になるようなことが出てきた後から、真相や当事者にしかわからない問題を少しずつ、理解していくことの大切さをこの作品を通して伝えていると思いました。


 

 

ぜひ手に取り読んで見て欲しいです!
ここまでご拝読ありがとうございました。
ハシビロックでした。

 

【多様性とは何か】朝井リョウ「正欲」のあらすじ&感想・解説

本を読んでいる人のイラスト(棒人間)

 

朝井リョウ「正欲」が気になっている人「 著者・朝井リョウとはどんな人かそして「正欲」とは、どんな小説で感想・解説はどうなのか?テーマとなる【多様性】について気になる」

 

こんなお悩みを解決します。

  1. 著者・朝井リョウ そして「正欲」とはどんな小説なのか
  2. 「正欲」の感想・解説をまとめました。
  3. テーマとなる【多様性】について

1 著者・朝井リョウそして「正欲」とはどんな小説なのか?

 その① 著者 朝井リョウさんとは?

朝井リョウ
    アサイ・リョウ
1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『何者』で第148回直木賞、2014年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。他の小説作品に『チア男子!!』『星やどりの声』『もういちど生まれる』『少女は卒業しない』『スペードの3』『武道館』『世にも奇妙な君物語』『ままならないから私とあなた』『何様』『死にがいを求めて生きているの』『どうしても生きてる』『発注いただきました!』『スター』、エッセイ集に『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』がある。2021年、『正欲』で第34回柴田錬三郎賞受賞。
 引用:新潮社ホームページ https://www.shinchosha.co.jp/

 その② 【正欲】はどんな小説なのか?

  あらすじ

あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。

息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代"にとって、
ひどく不都合なものだった――。

「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな」

これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?

作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。 

引用:Amazon 

 

【多様性】を叫ばれるようになった現代、題材として書かれている「欲」を主人公となる3人、それぞれの立場から正常なのか、それとも異常なのか割り切れない現実が描かれています。

2 著者・朝井リョウさんの「正欲」の感想・解説

題材が【多様性】で,少し踏み込んだ内容ということで、厳しい意見もあります。
※一部ネタバレがありますのでご注意ください!

[多様性」とかなんとか言ってますけど、理解しがたくて嫌悪感を抱き距離を置きたいと感じるものには、しっかり蓋をしてるんじゃないですかと。
人間でもこの本のような性癖は異質すぎて共感できません。
その部分が理解不能なので、全く楽しめませんでした。

引用:Amazon 

 

ハシビロックの感想は

 その①自身の立場は、どちらかなのか?
 その②【多様性】という言葉が独り歩きしている。

この2つです。

 

その①自身の立場は、どちらかなのか?

 作品に出てくる特殊性癖まではいかずとも、人それぞれのフェチがあり、、理解の範疇を超えることで当人を苦しめることになることで「普通」や「一般的」という境界線が曖昧になっていく点、その一方このような環境が身近にない人は、今までにはない知識・考えを得ることができる本である。

その②【多様性】という言葉が独り歩きしている。

ここは

3 テーマとなる【多様性】について

にも関係してきますが、LGBTQ(性的マイノリティ)や様々な言葉が広く知れ渡り、生きやすくなった人がいる一方で、当人にしかわからない問題、【多様性】が浸透したことで理解した気分になった人多くなったことから、【多様性とは何か】を今一度自問自答していくことが大切だと思う。


 

 

今までの経験・価値観・倫理観を一変させる面白い作品なので
ぜひ本書を、手に取ってみて下さい。

 

ここまでは拝読していただきありがとうございます。

ハシビロックでした。